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現場(加工技術者)が在宅ワークする為に必要な4つの事

コロナで陽性になった、濃厚接触者になってしまった…
などの理由で突然会社に行けなくなってしまい加工が進められない。
昨今ではそんな方も少なくはないのではないでしょうか。

自宅待機

そのような状況でも滞りなく加工を進めるにはどうしたらよいか?
コロナで自宅療養を経験した私の実体験から書いてみたいと思います。

普段は加工技術をしておりますので、毎日機械を動かしてデータを取ったり、
機械を使用して自社製品の加工を行っております。
現場にいる事、毎日出勤が前提の仕事内容です。

毎日出勤

そんな私が自宅隔離となった時のお話しです。

1.その日は急にやってくる。
自分でも驚きでした。
GW中に判明し10日間の自宅待機命令、GW明けから出勤不可となりました。
家族全員丸っと自宅待機です。
ちなみに症状は特にありませんでした。

2.仕事どうしよう?
10日間の待機命令がありましたが、バカンスだぜ!とはなりませんでした。
期限やスケジュールのない仕事などないのです。
〇日までに終わらせなければいけない加工や、〇日までに必要な資料、
〇日までに出荷する自社製品の加工…えっどうしよう。
夜中にこそっと忍び込んで1人でやる??

3.仕事は止められない
ちょっと10日間休みますねー、納期も遅れます!
でお客さんが許してくれるのならば良いですけど、
社会はそんなに甘くありません。
製造製品一つ取っても入荷後のスケジュールがあったり、
お客様側で商品を使用しての加工スケジュールがあったりと
自分だけの都合では済まされません。全てが狂ってしまいます。
社会人って厳しいです。

4.やるしかない。
なんとか出来ない理由を探しましたが、全て私の都合であり止められません。
上司に出来ないです!と伝えても出来る理由を考えろ?と言われるだけでした。
結論はやるしかない。
やってもないのに出来やしないとは言えません。

5.どうやるか?
ラジコンってご存じですか?

電波でマシンを動かすラジオコントロール(RC)のラジコンのことですが、ニコ生でのラジコンはコメントの内容通りに動くなど、まるでリスナーが操作しているかのような状態のこと。 常にラジコンになっているような生主を「ラジコン生主」ともいいます。

ー引用元:ニコ生・ニコ動を見る際に覚えておきたい用語一覧

これです、これしかない。
私が動けないなら、動ける方に動いて頂くしかありません。

ラジコン社長

6.誰に頼むか?
今回私はラジコンを社長さんに依頼しました。
社長を選んだ理由は、加工技術経験者で一通りの機械は動かせる。
今でこそ現場から離れてはいるものの、昔取った杵柄、多少は考えて加工出来る(ハズ)。
そして何より、出勤している現場のメンバーに依頼したくない。
現場の忙しさが増すだけで、10日間も+αをお願いするのはなかなか気まずい。

上記の理由から社長さんを選定し依頼してみました。
社長さんも+αになるらしいのですが、気にしません。
私は気まずさを感じません。

7.ラジコン社長
社長を手足の様に使い、zoom上で指示をし、間違えれば叱咤する。
最後にいつも以上に念入りに掃除をさせる事10日間。
結果として無事に社長をラジコン出来ました。
商品の加工も間に合い、納期も間に合いました。
ありがとうございました。
(日々の恨みも含めて社長にゴリゴリ命令できるのはぶっちゃけ快楽♪)

ただ、ラジコンをしてみて色々思う所もありました。
まず最も重要なことは「在宅できる環境に常日頃から整えておく」ことです。

ここからが本題です。
現場(加工技術者)が在宅ワークする為に必要な4つの事をお伝えします。

在宅勤務の心得

1.作業を簡潔にしておく
職人技が入らず、口頭で説明しても伝えられるシンプルな作業にしておくことが重要です。
そんな仕事ばかりじゃないよというのも分かります。私もそうです。
だからこそ出来る限りシンプルに見直す良い機会です。感覚は通じません。

2.整理整頓をしておく
山ほどあるワークや、治具、キャリアのどれを使うのか。またそれはどこにあるのか?
場所が分からず作業に入るまでに時間がかかります。
改めて整理整頓の重要性に気付かされました。あの辺にあるやつ!では伝わりません。

3.これまでの加工結果をまとめておく
自分では当たり前にやっていた作業も、やってない人にはわかりません。
過去のデータがあれば比較して数値異常に気付けます。
普段やっている作業を、なるべく詳細に気付いたことを書き残すことが大切だと思います。
(その際写真や動画等があればさらに良い、人に伝わる資料)

4.zoom等で加工状況が共有できる環境を作る。
実際の機械の映像を見ることで気付ける事や思い出せることがあるので、
私の場合はzoomで機械の映して頂き、映像を確認しながら
電話やチャットにて細かいところを確認する事で、安心して加工をお任せすることができました。
結果トラブルもなく完璧に加工を行って頂きました。
代わりに作業頂いた社長には感謝しております(私の指示が的確だった)

まとめ
正直世間でテレワーク、在宅勤務が流行ってる~と言われても、
現場仕事の自分は無理だなと思っていました。
無理だと思って考える事もしていませんでした。
しかし現実にテレワークをせざるを得ない状況になり、
無理と言えなくなった時、貴方はどうしますか?

私からお伝えできるのは…
せめて整理整頓だけでもしておきましょうという事です。

ではまた来月!

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