研削加工技術者が加工テストで意識する2つの事

研削加工技術者が加工テストで意識する2つの事

こんにちは、毎日シコシコ技術を「磨いて」おります、技術Gのカタケンです。

日々黙々と「精密研削・精密研磨」の加工を行われている皆様に向けて、加工テストをする際に、私が気を付けている事をお伝えします。
皆様も、研磨剤や研磨PADの切替、新素材ワークのテストの時に同じような経験をされているのではないでしょうか。

加工技術者の皆様なら当たり前だろ…という事かもしれませんが、つい夢中になって…やり直しや迷宮入りなどの経験はございませんか?

そんな私の「テストに大切な事を考えてみた」にお付き合い下さい。
皆様の加工の気付きや、ヒント、再確認、または反面教師になれば幸いです。

・正確な数値 


加工テストを行う場合、前提として「できるだけ多くの正確な数値を得る」ということが必要になります。
その為、加工対象に対してまったく同じ手順でまったく同じ評価を行った数値でなければ、正確な数値(データ)とは言えません。
「100%同じ加工」は不可能でも、限りなく同じに近付けた加工を意識しております。
※私は加工テストにおいて、この工程(前準備)に最も時間をかけています。

例えば加工条件以外の条件…研削機械、研削工具、研削液、加工ワーク等の要素も非常に大切です。
・研削機械…片面機or両面機の状態(振り幅、振り位置、水平、暖気)
・研削工具…刃先(ダイヤ)の状態、工具のダイヤ以外の表面状態
・研削液…(水量、劣化具合、切り粉量、温度、濃度)
・加工ワークの加工前状態…(精度、鏡面、梨地、面粗度、平行度、厚み、面取り状態)
これらの条件を固定せねばなりません。

条件の固定 


加工条件は当たり前ですが、加工条件以外の条件も固定します。
限度はありますが、出来る限り全てが同じ状態でないと正しい評価、正確な数値とは言えません。
いつ何度加工しても同じ数値が出る状態を確認後した後にやっと評価開始です。

※私の場合は…条件を固定する為に、工具は毎回指定番手での指定時間ドレス+指定ガラスでの捨て掛けを行い、ダイヤの出方が適正か数値(レート、面粗度)で判断した後に評価ワークに着手します。
評価ワークは、評価前の表面状態(面粗さ)を同じにするため、遊離砥粒を使用し特定番手での梨地をつけたり、出来る限り平行平面に近付けたり。加工前状態が不規則の場合はまた別の方法を取り条件を固定します。
研削液に対しては分離機を使用しワークや工具の切り粉の影響が少ない状態にしたり、状況にて応じて毎回新液を作って評価したりします。

評価自体は機械にお任せ 


その為、「いかに正確にセッティングするか」がとても大切だと考えています。
正確なセッティングも加工条件の一つです。
良い結果も必要ですが、正確な結果をお客様に伝えるということが信用に繋がると思いますので、これからもより一層精度の高い評価を心がけていきたいと思います。

加工テストお待ちしてます。

・これレート出して、1時間でx枚加工したいんだけど削れる?

・これ平行度厳しいんだけど、平行度崩さず早く出来る?

・これ硬くて削れないんだけそもそも削れる?

この辺りの課題が大好物ですのでお気軽にご相談をお待ちしております。

 

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