【酸化セリウムとガラス研磨】使い方、磨き方などガッツリ教えます!

【酸化セリウムとガラス研磨】使い方、磨き方などガッツリ教えます!
酸化セリウム研磨剤【研磨の基礎と磨きの極意】
 
 
あなたはこんな疑問を持っているのではないでしょうか?
 
酸化セリウム研磨材とは何なのか?
なぜガラスの研磨に効果があるのか?
どうやって使うと効果的に磨けるのか?
 
 
研磨屋家業80年以上の経験とノウハウから、
研磨の基本テクニックや酸化セリウム研磨材を使う上で
絶対に抑えておくべきポイントなど
 
 
しっかりと説明していきます。
 
 
有料セミナーだと、聞くだけで5万~10万かかるような内容が
含まれていますので、まずはしっかりここで学んでください。
 
 
全て説明すると1日じゃ終わらないくらいになってしまうので
重要なポイントを厳選してお伝えしていきます。
 
 
長いので、気になるところだけ読んでいただいてもかまいません。
 
 
 
 
 

酸化セリウム研磨材(CeO2、セリア)とは

ほんとにざっくりいうと酸化セリウムを原料とした研磨材です。
 
“原料とした”と言うところがポイントで、純度99%のものもあれば
酸化セリウムは60%程度でその他に、酸化プラセオジム、酸化ネオジム
酸化ランタンなどが、ある決まった配合で作られているものがあります。
 
あとで説明しますが、この配合された酸化セリウム以外の成分によって
色が決まってきます。
 
 
酸化セリウムの成分表を持っているのであれば
 
「CeO2/TREO」と言う項目がありますので、そこで酸化セリウムが
どれだけ入っているかがわかります。
 
純度が高いからと言って良質だとは限りませんので注意してくださいね。
 
ちなみに「CeO2/TREO」は「酸化セリウム/トータルレアアース酸化物」の事です。
レアアースは「希土類元素」の事で、限りある資源であることを
頭の片隅にでも入れておいてください。
 
 
 

ガラス研磨で酸化セリウムが使われる理由

すでに調べているかもしれませんが、酸化セリウムはガラスの表面と反応し
物理的にも化学的に磨いていると言われています。
 
でも、この原理はとても難しいのです。
 
学術的には水の存在下でCeO2などの砥粒が押し付けられると、Si-Oの網目構造に
圧縮ゆがみが生じて、圧力が解放されたときに引っ張り歪みに代わってOH基が
ガラス面に侵入…
 
とか
 
SiとCeの置換が起こる…Si-O-Siの共有結合よりもCe-0-Siの結合ははるかに弱く
十分研磨に使える…
 
化学を習ったことがある人でも???となる人が多いのではないでしょうか?
 
 
私もこのあたりはさっぱりわかりません(;´Д`)
 
 
ただ、確実に言えるのは、ガラスの表面に対し科学的な作用が加わることで
より効率よく、効果的な研磨が行われているという事です。
 
 
Si(ケイ素)と反応する
 
 
という事が重要なポイントです。
ガラスと言っても、サファイア、石英、ソーダガラスなど様々で、
金属などの研磨や、セリウムとの反応を期待できないガラスの研磨には
あまり使われていません。
 
 
webで検索しても、車のガラス研磨とか、時計のガラス研磨などが出てくるのは
セリウム(CeO2)との反応が期待できるガラスで、より身近なものだからですね。
 
 
もう一度言いますが、
 
セリウムが有効なガラスはSiとCeの反応が期待できるガラス
 
ですので、これだけ覚えておきましょう!
 
 

研磨…磨くことの基礎

ちょっと速足で、酸化セリウム研磨材とは何なのか、ガラスに使われる理由について
お話してきましたが、正直そこに興味を持っているのは結構なマニアの方で、
知りたいのは、どうやって使えばきれいに磨けるのかってところだと思います。
 
 
でもちょっと待ってください。
 
 
使い方を知る前に、研磨の基礎について知っておきましょう。
ここを知ると知らないでは、仕上がりが全然違ってきます。
 
あなたは次の事について、読まずとも理解できていますか?
1つでも「???」と思ったなら必ず読んでおきましょう!
 
・研磨の基礎(硬さの関係と砥粒の働き)
・段階を踏む(いきなり仕上げの研磨は無理)
 
 
どうですか?
知っていればさらっと流してOKです。
 
 
研磨の基礎と、段階を踏むという事は、磨き上げることだけに限らず、
凹凸のないきれいな表面を仕上げるために、
 
超重要
 
なポイントになります。
 
正直ここだけ覚えておくだけでもいいと思えるくらい重要な内容なので
一度気持ちをリフレッシュして、しっかりと頭に叩き込んだください。
 
 
 
行きますよ…
 
 
 
 
 
では始めます。
 
 

研磨の基礎(硬さの関係と砥粒の働き)

研磨…かなりマニアックで奥の深いものです。
 
でも、基本・基礎は存在しますからね。
 
 
ウィキペディアにはこのように書いてあります。
 
研磨(けんま・研摩 英: Polishing)とは、ある固体の表面をより硬度の高い固体の角や表面を用いて、断続的にこする事によって表面部分を削り、平滑にしていく作業のこと。表面部分の仕上げのために行われることが多い。
 
 
まぁ、わかるっちゃわかる。でも「ん??」と思う事もありますねぇ。
 
 
研磨には大きく分けて3つの種類があるんです。
 
機械研磨(メカニカル研磨)
化学研磨(ケミカル研磨)
化学的機械研磨(ケミカルメカニカル研磨:CMP)
 
酸化セリウムによるガラス研磨は化学的機械研磨(CMP)にあたりますね。
でも、磨くものによってはメカニカル研磨に該当します。
 
ややこしいですね(;’∀’)
 
このあたりは、酸化セリウム研磨剤がガラスに使われる理由を読んでください。
 
 
で、ここで抑えるべきポイントはメカニカル研磨の部分になります。
 
 
と、いう事で、まずは研磨にかかわる硬さの関係についてです。
 
 
 
研磨には3つのものが必要になります…三種の神器☆ではありません。
 
 
1.磨くもの(酸化セリウム研磨剤)
2.磨かれるもの(ガラス)
3.磨くための道具(プレートだったり、布だったり用途によっていろいろ)
 
 
では、この3つのものを硬い順に並べてみてください。
わかりますか?ここが基本のキと言われる部分です。
 
 
もうズバッと答えを言ってしまいますね。
 
 
磨くもの>磨かれるもの>磨く道具
セリウム>ガラス   >工具(道具)
 
の順番です。
 
理由は簡単です。
 
まず、ガラスを磨きたければ、それより硬いものでないと、
デコボコの面を均一にならしたりすることができません。
 
そして、磨くものより工具の方が柔らかくなくてはいけない理由は…
 
 
ここはちょっと考えてほしいのですが、
 
硬い研磨材を2つの硬さのもの(例えば板)で挟んだらどうなるでしょうか?
 
 
硬い板より柔らかい板の方に、より深く刺さりますよね。
 
硬い、柔らかいで表現すると難しいのですが、
2つの板の硬さが同じくらいであれば、より深く刺さった方に
しっかりと砥粒が食い込みます。
 
 
イメージできて来ましたか?
 
 
ではその状態で、2つの板をこすり合わせたらどうなるでしょうか?
 
 
 
柔らかい方の板(工具)に刺さった砥粒(セリウム)が硬い板(ガラス)を
傷つけいていきます。
 
 
これが研磨の基本的なメカニズムになります。
 
図で表すとこんな感じです。
 
 
ちょっと視点を変えてみるともっとわかりやすくなるかもしれませんね。
 
切りたいものは、ガラス、
切るものは、セリウム
切るものを保持(しっかりと支えているもの)がプレートや布などの工具
 
 
紙を切るとしましょう!
 
切りたいものは、紙
切るためのものは、カッター
切るものを支えるのは、手(指)
 
 
どうですか?
 
何かを切るためには、切るための物をしっかり支えておく必要がある。
 
 
これが研磨の基礎になります。
 
 
いまいち、ピンと来ないですか( ;∀;)
 
イメージが付くまで何度も読み直してみてください。
イメージしながら読むことがポイントですよ!!
 
 
 
 
ちょっと疲れてきましたかね(;’∀’)
 
深呼吸や、背筋を伸ばして気持ちを整えてから次に進みましょう!
 
 
 
ではでは、先ほどのウィキペディアの内容に戻って見ると、
ポイントとなるのは
 
 

硬さの関係・断続的にこする

と言う部分…
改めまして(^^)/
  
硬さって何ですか?
  
  
研磨にかかわる硬さを表す単位としては
  
モース硬度
ヌープ硬度
ビッカース硬度
  
等があります。
モース硬度は、2つのものをこすりあった時にどちらに傷が付くかを
10段階または15段階で表したものです。
 
ヌープ硬度とビッカース硬度は数値ですね。測定方法が違いますが
考え方は同じです。どちらかに合わせて考えればOK。
 
では、セリウムとガラスの硬さは…想像つきますね!!
 
こちらです!(ジャーン!!)
 
セリウム:6前後
ガラス :5前後(非晶質ガラスの場合)
 
 
セリウムの方が硬いですね。
これであれば、研磨の基本である硬さの関係はクリアしているので
ガラスより柔らかい素材を使って磨いてあげれば基礎編クリアです☆
 
 
これで機械的な表面研磨が可能です☆
 
そしてそこに化学的研磨(ケミカル研磨)の要素が加われば…
仕上がりは全然変わってきます!!
 
 
 
一応お伝えしておきますが、磨くものは硬ければいいかと言うと
そうではありませんのでご注意ください。
(これも後程説明しますね!)
 
 
 

段階を踏む

凹凸のないきれいな表面を作り、磨いていくためには
次のような順番で磨いていきます。
 
1.粗削り(表面の凹凸を取る)
2.研磨(1で荒れた表面を整える)
3.仕上げの研磨(2で整えられた表面を磨き上げる)
 
 
車のガラスや時計のガラスを磨こうとしているときに
仕上げの研磨だけで何とかしようとしている人が多くいますが、
キズの深さによっては全く効果が出ず
 
 
「高いもの買ったのに使えないじゃないか(怒)」
 
 
なんてこともありますが、状態をみて磨き方を工夫しなければいけません。
例えば…こんなところでも同じ順番で磨いているものがあります。
 
 
・包丁研ぎ
・車のボディーのキズの補修
・カメラなどのレンズの研磨
 
他にもありますが、基本的な流れは同じで
 
 
凹凸を取る⇒表面を整えつつ磨く⇒仕上げ磨き
 
 
です。
なぜ、こんな順番で行うかと言うと、仕上げ用の研磨材では
表面の凹凸や傷を取る力がとても小さいからです。
 
また、あまりにも凹凸が大きいと、研磨材を使ってさらに
凹凸を大きくしてしまうなんてこともあります…Σ(゚д゚lll)ガーン
 
 
この記事を読んでいる方は男性が多いと思いますので
あえて車のボディーのキズ補修で説明すると、
 
 
1.キズを中心にキズ回りも含め粗目のサンドペーパーで
 表面状態を整える(凹凸をなくしていく)
 
2.少し細かい目のサンドペーパーで表面を整えていく
 
3.特殊な樹脂で凹凸をなくす(ここは研磨工程にない部分)
 
4.固まったら表面を細かいサンドペーパーで整える。
 
5.ペイントして仕上げる
 
 
 
ガラス研磨の工程には、凸凹を埋める工程はありませんが、
基本的な流れは同じですね!
 
 
磨きたいものの状態を知り先ほども言ったこの工程
 
1.粗削り(表面の凹凸を取る)
2.研磨(1で荒れた表面を整える)
3.仕上げの研磨(2で整えられた表面を磨き上げる)
 
を意識すると、プロ顔負けの仕上りを得ることができるようになります。
 
 
 

酸化セリウムを使った研磨の工程

さてさて…前置きが長くなってしまいましたが、酸化セリウムを使って
段階を踏むにはどうしたらいいかわかりますか?
 
 
研磨材と言うのは同じ種類の物でも、サンドペーパーのように番手が
色々あります。
 
番手と言うのは研磨するための粒(ここでは酸化セリウム)の大きさの事で
大きめの粒、中くらいの粒、小さな粒の順番で磨いていくんです。
 
 
サンドペーパーだと粒の大きさが目に見えてわかるくらい大きなものもありますが、
研磨材はとても小さい世界です。
 
粗番手でも2?前後(マイクロメートル=1000分の1ミリ)
仕上げになると0.5?以下…
 
 
小さすぎてよくわかりませんね(;’∀’)
 
ほこりよりも小さいので、ほこりが傷の原因になることもありますよ!
 
でも、キズのないピカピカな表面を得るためには、このミクロの世界で
段階を踏んで研磨することが重要なのです。
 
 
 
 

酸化セリウム研磨材の使い方

酸化セリウム研磨剤は粉末(粉体)で販売されていることが多いです。
 
使い方は水に溶かして研磨液として使うのですが、
水の中で固まって、逆にキズをつけてしまう事があるので
研磨液として売られている場合は固まらないための薬品が
入っていることがあります。
 
 
溶かす水は、磨き上げる製品によって変わってきます。
 
水道水の場合もあれば、
水の中の不純物(ミネラル成分)ですら嫌がる場合は
RO水(膜処理した水)や超純水と言われる不純物が無い水に
溶かして使う事もあります。
 
 
水に対してどれくらいの研磨材を入れればいいのかについては
研磨するものによっても変わってきますし、ノウハウ的な部分も
あるので、ここでは控えさせていただきますが、
 
濃すぎるのはNGです。
 
ガラスに研磨液をかけた時に、少し研磨剤が貼りつく程度を
目安に、入れる量を調整するといいですね。
 
 
磨くものについては、布であったり、専用の電動工具があったり
しますので、仕上げの研磨であれば、柔らかめの物から選んで
使ってみてっください。
 
 
ちなみに、光学ガラスの研磨工程では、研磨の段階によって
ウレタンパッド、不織布パッド、スエードパッドなどを
使い分けています。
 
 
 
そして…忘れてはいけないことが…
 
 
すぐに洗浄してください!!!
 
 
酸化セリウムに限らず、研磨材がガラスに残っていたりすると
研磨焼けと言われる跡が残ってしまいます。
 
磨いている途中で放っておくと余計の汚れや焼けが付着して
逆に汚くなってしまった…
 
と言う事もよくあります。
 
 
磨きに集中し、終わったら即洗う!
 
終わったら即洗う!
 
これが重要ですからね。
 
 
 
と、行ったところで、酸化セリウム研磨材と研磨の基本についての
大まかな説明は終了となります。
 
 

番外編?

番外編として、色の違いや歴史についてお話しします。
豆知識として使えるかもしれませんよ!
 

白い酸化セリウム研磨材が高純度と言う誤報??

酸化セリウム自体は白色なので、純度が高い=白いでも
間違ってはいませんが、そうでない場合もあることを
知っておいた方がいいかもしれません。
 
 
一番最初の『酸化セリウム研磨材とは』の部分でも話しましたが
酸化セリウム研磨材の成分は酸化セリウム以外にも
 
酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化ランタン
 
等が入っているとお話ししました。
彼らの色や作り方によって色が変わってきます。
 
そしてその色はと言うと…
 
酸化プラセオジム:黄色
酸化ネオジム  :薄紫っぽい色
酸化ランタン  :白
 
 
酸化プラセオジムとか酸化ネオジムが入っていなければ
白っぽくなりますが、酸化ランタンは入っていても
色は白なので気づかないかもしれませんね…
 
もし、純度が高いものが欲しいのであれば、SDSや成分表を
もらう事をおすすめします。
 
 
ずっと酸化~という事を言っていますが、酸化すると性質が
変わります。
セリウム自体は灰色がかった銀色の”金属”です。
 
これもちょっとした豆知識です☆
 
 

酸化セリウム研磨材の歴史

酸化セリウムは1803年にスウェーデンのバストネス鉱山で発見されたのが最初で
当時発見されたセレスと言う惑星の名前にちなんでセリアと命名されたようです。
 
レアアースと言われる希少な資源の1つで、産出される場所も限られています。
 
中国、アメリカ、旧ソ連、オーストラリア、インド…実は日本でも少量ですが
産出されるようです。
 
しかし、現在価格的なところも含め、酸化セリウムの90%以上は中国からの
産出され、生成しているものになります。
そのためリーマンショックの時期は、酸化セリウムの価格がめちゃくちゃ上がって
かなりのダメージを受けたことを思い出しますねぇ(;´Д`)
 
 
ざっくりと酸化セリウムが研磨材として使われてきた歴史はこんな感じです。
 
1830年代:研磨剤として欧州で開発
1840年代:アメリカで研磨剤として実用化
 
酸化セリウムが研磨材として使われ始めたのは今から約200年程前なんですね!
 
もともとは弁柄(ベンガラ)と言われる酸化第二鉄と言うものが18世紀ごろから
使われていたようです。
 
 
現在は、中国からの輸入であることや、レアアースの価格の高騰などの背景から
使用量を減らす取り組みもあり、高品質のものにしか使われなくなってきている
感じがあります。
 
 
見方を変えると、品質を求められるガラスの研磨には欠かせないものであることが
わかりますね!
 
 

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